こ:骨盤
脚の動作の起点
適度に前傾させて柔らかく走ります。ランニング中にはほんのわずかな動きですが左右の骨盤が回旋するようなメカニズムです。
け:肩甲骨
腕の起点
肩甲骨を使って後ろ方向へ引くような腕振りを心がけましょう。腕は肩が付け根ではなく鎖骨を伝って、胸鎖関節で胴体とはじめて連結しています。
し:姿勢
上体と下半身の動きをドッキング
体の大黒柱。中心の軸という役割については Vol.2 ランニングと体重移動 で説明をしました。そちらを参考にしてみてください。 体を4輪駆動車に例えると、前輪と後輪の動力を結びつけるような役割です。この中心軸が崩れてしまうと、ギアが上手く噛み合わない走りとなってしまいます。腕を振っていても、下半身には連動しない。推進力につながらない。脚だけの筋力に依存した走り。上体・下半身がバラバラになってしまいます。
- 緩めて、動かし、体に軸を作る。
- 肩甲骨から腕を振る。
- 骨盤は前傾し、楽に1歩。
1. 姿勢を正すことから始める
- 胸を張り、腹とお尻に少し力を入れて、肩の力を抜く。これで体の軸ができたことになる。
2. 肩甲骨が走りのエネルギーを生む
- 「し」が修正できたら、次は「け」の肩甲骨。ここを使った腕振りが非常に重要だ。腕を肩で回わさない。左右の肩甲骨を交互に背骨の方に寄せて、腕を後ろに引くのが正しい腕振りだ。左右の肩甲骨の間にある僧帽筋を意識すると、うまくいく。
- 「け」をうまく使うと「こ」が機能する。人間の体は肩甲骨を背骨に引き寄せると、背骨が力を伝達し、骨盤が回る仕組みになっているのだ。右の肩甲骨を引くと、右の骨盤が前に出る。骨盤が回れば自然に足が前に出る。こうすれば、余計な力を使わずに走れる。
- 「し」にかかわることでもあるが、忘れてはならないのは、この際に骨盤を前傾させること。
骨盤が後傾していると、重心が後ろに残り、「け」と「こ」、つまり上半身と下半身が連動しない。 - 「緩める」が終わったら、次は「スイッチをオンにする」。そして、仕上げは「協調させる」。
斉藤コーチは「しかるべき瞬間に、しかるべき筋肉が働かないと、効率のいい走りはできない」と語る。
3. 着地の衝撃を推進力に変える
- ランニングとは着地の衝撃を体でしっかり受け止めて、推進力に変える運動である。
着地の瞬間にお尻の上の中臀(でん)筋、大臀筋を使って、着地した脚を後ろに運ぶ。と同時に逆の足を、付け根にある腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)で引き上げる。 - 体の幹にあるこれらの大きな筋肉を使うのが合理的な走り方。
末端にある小さな筋肉に頼ると、持続性が低いため、エネルギー切れを起こしやすい。 - 補強運動で、大事な筋肉のスイッチをオンにしておくと、スムーズに働いてくれる。
ニッポンランナーズが薦めているのは胸筋伸ばし(肩甲骨を寄せる)、かかとの上げ下げ、スクワット、腕振り(腕を伸ばして思い切り振る)、腹筋運動など。上半身と下半身の連動を強調させるには、ツイストジャンプ(体をひねって上半身と下半身を交互に逆方向に回す)で仕上げるといい。 - 特定非営利活動法人(NPO法人)「ニッポンランナーズ」の斉藤太郎ヘッドコーチ